地質年代「第四紀」:258万年前からに変更 再調査で
地球史を地質学的に区分する地質年代で、現在を含む最も新しい「 第四紀」の始まりが、 181万年前から258万年前に変更されることが固まった。 日本地質学会など関係4団体が20日、明らかにした。 22日のシンポジウムなどを経て最終決定する。 教科書や地質図の修正が必要となり、教育や土木・ 地質コンサルタントの業界は対応を迫られる。
地球46億年の歴史は、 化石や地磁気の記録などから地質年代が区分されている。 このうち第四紀は主に「地球全体の寒冷化が始まった時期」 として定義され、 北半球での氷床の形成時期などを基に181万年前に始まったとし てきた。その後、海底の堆積(たいせき)物などの調査から、 約80万年さかのぼることが分かった。
十数年前から各国の専門家が議論を重ね、 09年6月に国際地質科学連合が見直しを発表。 日本の学会も対応を検討し、受け入れ方針を固めた。
258万年前ごろは、北米と南米がつながって海流が変化し、 北半球での氷床が拡大した。地球全体の寒冷化が始まり、その後、 氷期と暖かい「間氷期」が繰り返されるようになった。
日本地質学会理事の井龍康文・名古屋大教授は「 科学技術の進歩で、過去の地球環境への理解が深まり、 変更につながった。これらの蓄積は、 将来の地球温暖化予測にも利用できる」と話す。
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