陸山会の土地購入費、石川議員が通帳に目印「住」
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、同会の事務担当者だった石川知裕衆院議員(36)が2004年10月、土地代金に充てた現金4億円を同会の複数の銀行口座に分散入金した際、すべて同じ「住」の文字を預金通帳に書き込んでいたことが、関係者の話でわかった。
中堅ゼネコン「水谷建設」の幹部らは東京地検特捜部に対し、同時期に石川議員に5000万円を渡したと供述しているが、その直後に同議員が同額の現金を同会の口座に入金した際も同じ文字を記載していた。特捜部もこうした事実を把握しており、土地代金の原資に同社の資金が含まれていたとの見方を強めている。
石川議員はこれまでの特捜部の事情聴取に対し、土地代金に充て、政治資金収支報告書に記載しなかった現金4億円について、「小沢先生から受け取り、陸山会の口座に入金した」などと供述。その一方で、水谷建設側から5000万円を受け取ったことについては否定している。特捜部は14日に3度目の事情聴取を行っており、4億円と水谷建設側が渡したとする資金の関係についても、説明を求めたと見られる。
同会は04年10月29日、東京都世田谷区深沢の土地を約3億4000万円で購入。関係者によると、石川議員は小沢氏から受け取った土地代金用の現金を同月中旬以降、1000万~5000万円程度に分散して同会の複数の口座に入金していた。各口座の預金通帳の入金記録の横には、すべて「住」の文字が手書きで書き込まれていたという。
同会は当時、秘書の寮などに使う住宅を建てるため、世田谷区にある小沢氏の自宅周辺に土地を探しており、「住」の文字は、石川議員が土地代金として入金したことが分かるように記載したとみられる。
一方、水谷建設幹部らは、特捜部に対し、「04年10月中旬に港区内のホテルで石川議員に現金5000万円を渡した」と供述。石川議員は現金の授受があったとされる数日後、同額を同会の口座に入金していたが、その入金記録にも「住」と記載されていた。同月には、大手ゼネコン「鹿島」の共同企業体(JV)が胆沢ダム(岩手県奥州市)の工事を受注し、水谷建設のJVがその下請けに入っていた。同社元幹部らは現金5000万円について、特捜部に「受注できたことへの謝礼だった」と供述している。特捜部は13日、同法違反容疑で同会の事務所などとともに鹿島本社などを捜索、4億円の原資の解明を進めている。
0 件のコメント:
コメントを投稿